前回のブログでは、大名行列の時期について説明しました。
今回は、ついに江戸に到着した大名たちが、江戸城でどのように将軍にお目見えしたのかを考えてみましょう。
*参考文献は、別冊宝島「実録参勤交代」 です。
1. 参勤の行列は、江戸に入る直前、郊外にある下屋敷で全員が藩の正式な装束に着替えた。
2. 身なりを整えて江戸入りをして、ようやく上屋敷に到着。
3. 入府した大名は、すぐに老中の屋敷へ到着の挨拶に出向く。
☆挨拶はなるべく早めに、到着当日か翌日早々に行われた。
4. しばらくすると、幕府から将軍お目通りの日程を指示する書状が届く。
5. お目通りの前日は、将軍への献上品の点検などを入念に行う。
6. 指定当日、上屋敷を出て江戸城に向かう。
7. 門前の下馬札前、下垂橋前に供を残し、徒歩で玄関を目指す。
☆大名たちのお供は江戸城の外で待機。かなり大勢の侍が城の濠の周りで待機していたことになります。主君が戻ってくるまでさぞかし暇だっただろう、お互いにどのような会話をしたのだろうと想像してください。
8. 玄関で刀を預け、ひとり丸腰で城内へ入る。
9. 表坊主の先導で家格ごとの控えの間に通される。
☆全ての大名がそろうと、謁見が行われる書院に案内され、リハーサルが行われる。
10. 謁見の本番までは、懇意の表坊主の部屋で弁当を食べたりして、時間をつぶす。
11. 謁見は高位の大名から順番に行われる。
12. 大大名のお目通りは個別であるが、並みの大名の場合は数人まとめてのお目通りであった。
13. 大名たちは謁見の間ずっと平身低頭しており、将軍を見ることはなかった。
①将軍が大名に対して「それへ」と一言。
②大名はこれに対して決して返事をしてはならない。
③代わりに老中が「これこれが有り難く申しております」と決まった言葉を発する。
14. 大名は頭を下げたまま書院を退出。これにて参勤が完了。
15. 城を出た後、老中の屋敷にお礼の書状を届けて、上屋敷に戻る。
☆その後、老中や大奥などへの進物を漏れなく付け届ける。