◆本時の目的
・日本の工業化を支えた女子工員に焦点を当てることで、資本主義の矛盾と労働問題について考えさせる。
◆映画「あゝ野麦峠」の予告編を使って授業を組み立てました。
*私が中学生の頃に上映された映画(1979年)で、内容にインパクトがありよく覚えています。
1 映画の主人公となった 政井みね という実在の人物の写真を見せる。
2 彼女の人生について想像させる。
➀ 1903年 2月 14 歳で●●●●
➁ 1909年11月 20 歳で●●●●
3 YouTubeでこの映画の予告編を観せる。
4 教科書の資料を使って、当時の女子工員(女工)の1日について考えさせる。
*起床時間、就寝時間、食事の時間、就業時間など
5 飛騨(河合村)から野麦峠を超えて諏訪まで行き、製糸工場で働いてわずか20歳で亡くなったことを説明する。
*生産された生糸は横浜から海外へ輸出された。
6 当時の女子工員の立場で判断させる。
「あなたが “政井みね” さんなら、毎年、諏訪の工場に働きに行きますか?」という問い掛けをする。
7 資本家の立場から工場法について考えさせる。
政府は工場法の法案を作ろうとしました。*1911(明治44)年
◆ 15歳未満の者と女子について
① 1日12時間を超える就業の禁止
② 午後10時から4時までの深夜業の禁止
あなたが国会議員なら、この法案に賛成しますか。
*グループで考えさせ、そのように判断した理由も発表させる。
A 賛成 B 反対 C 棄権
8 産業革命の進展に伴い社会が大きく変化し、労働問題が発生したことを説明する。
➀ 日露戦争後の重税
➁ 農村の変化(小作人の増加)
③ 工業化の進展と資本主義
➃ 労働組合の結成と労働争議
⑤ 社会主義の運動
⑥ 足尾鉱毒事件などの公害問題
☆注意点
・女子工員の労働環境は、ととても厳しいものでした。
・ただ、今の基準で考えてしまうとただ可哀想ということが先行してしまい、当時の真の姿は見えてこないと思います。
・ネットを見ていたら、「あゝ野麦峠」女工哀史の真実は? というブログを見つけたのでご一読ください。
★ 他にもYouTubeでは、2012年度 最優秀作品賞/未来をつくる少女賞 「野麦峠を越えた少女たち」というのが公開されており、参考になります。