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アメリカのタウンシップ制とホームステッド法

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1783年のパリ条約により、イギリスはアメリカの独立を承認するとともに、アパラチア山脈からミシシッピ川以東の土地をアメリカに割譲しました。

そして、アパラチア山脈を越えて中西部の開拓を促進するために、1785年に公有地条例が制定されタウンシップ制が導入されることになりました。

国家財政が窮乏していた連邦政府にとって、公有地売却による収入は最も重要な財源でした。そのため公有地の払い下げはもちろん有償でした。

しかしながら、1862年に制定されたホームステッド法により、5年間定住して耕作すれば、21歳以上の世帯主に160エーカーの土地が無償で与えられるようになりました。

◆ 以下、中公新書「アメリカ西部史」 (p11~,p183~)と 岩波新書「西部開拓史」(p108~)を参考にタウンシップ制について、解説します。

1. 1タウンシップあたりの規模

6マイル四方の土地を1つのタウンシップ(township)とし、これを36等分し1平方マイル(640エーカー)を1つのセクションとしました。

*1マイルは約1.6kmですので、6マイルは約9.6kmです。つまり、1タウンシップの広さは、9.6km×9.6kmということになります。

2. 1タウンシップあたりの世帯数

1つのタウンシップは36のセクションに分けられましたが、当初はこの1セクション(1平方マイル、640エーカー)が個人が買う最低面積と定められ、しかも、1エーカーの単価は1ドルと決められました。

これは西部開拓をする農民にとっては大変な負担だったので、最低購入面積と1エーカーあたりの単価について、少しずつ見直しが行われ、1862年に、160エーカーを無償で払い下げるというホームステッド法が成立します。

ホームステッド法により開拓者に払い下げられたのは、1セクション(1平方マイル)を4分割したものの1つです。

下の図のように単純に考えると1タウンシップ(6マイル四方)は 144世帯(4×36)に払い下げれたと思われますが、第16セクションは学校セクションとされていたため、払い下げられなかったようです。

3. 1世帯当たりに払い下げられた土地の広さ

前述したように、当初は1セクション(1平方マイル)が最低購入面積だったのですが、ホームステッド法(1862年)により、160エーカーが無償で払い下げられるようになりました。

160エーカーは、1平方マイルを4分割したものですから、1マイルを約1.6kmと考えると、約800メートル四方の土地が無償で払い下げられたことになります。

4. 公有地払下げ政策の推移

年代 最低売却面積 最低売却単価(1エーカー)
1785 640エーカー 1ドル(公有地条例)
1796 640エーカー 2ドル
1800 320エーカー 2ドル
1803 160エーカー 2ドル
1820 80エーカー 1.25ドル
1832 40エーカー 1.25ドル
1841 160エーカー 2.25ドル
1862 160エーカー 無償(ホームステッド法)

*引用 岩波新書「西部開拓史」p110

5. 航空写真で見てみるタウンシップ制

Googleマップでタウンシップ制の名残がないか探してみました。下の写真はカンザス州のウィチタから北東55kmぐらいにある農地です。

道路が碁盤の目のようになっており、正方形の1辺がほぼ1.6km、つまり1マイルだということに気づかれましたか。 *Googleマップで距離を測ったところ、ぴったり1マイルでした。

★ 最後に、エーカーの広さについて調べてみましたが、何とも不思議な単位です。

その起源はイギリスで生まれた単位で、1エーカーは、1人の人が、1日に、雄牛2頭にスキを曳かせて耕せる面積です。

ただ、とても曖昧な単位で、1辺の長さがいくら四方なのかさっぱり分かりません。

メートルに換算すると、約63メートル四方のようです。

ではなぜ、1/2マイル × 1/2マイル の広さが160エーカーなのでしょう。

理由はよくわからないのですが、1平方マイル = 640エーカー と定められてるようす。

つまりその1/4の広さなので、160エーカーとなるようです。

★タウンシップ制については、次のサイトも参考になります。

公有地測量システム(Public Land Survey System、略称:PLSS)Wikipedia

(16)アメリカ合衆国(1) ~自然と産業~

Geographico! Urban&Rural・都市と村落

航空写真でアメリカ西部開拓の名残を探す『タウンシップ制』

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