鉄鉱石の生産量は、帝国書院のホームページの統計の頁(2012年)を見てみると、➀中国,➁オーストラリア,③ブラジル,④インド,⑤ロシアの順になっています。

さて、ブラジルの鉄鉱石の鉱山といえばカラジャスなのですが、マラバから南西140kmの位置にあります。

ここで採掘された鉄鉱石は、熱帯林を切り開いて敷かれたカラジャス鉄道を使って、サン・ルイスの港(マラバ経由)まで運ばれます。

Googleマップで見てみると、みごとな露天掘りであることが分かります。

1967年に発見されたカラジャス鉱山は、USスチール(アメリカ)のブラジル子会社(AMZA)により1次調査が行われ、1969年に終了しました。

*ブラジル日商岩井の元社長だった方が寄稿された、日本ブラジル中央協会会報『ブラジル特報 -カラジャス鉄鉱山開発黎明期-』(2007年11月号)が、鉱山開発の初期の頃のことを知る上でとても参考になります。

1. 1970年頃は、カラジャスの現地へのアクセス方法は、ベレンからの小型チャーター機しかなかった。
*ちなみに、トランスアマゾニアンハイウェイの建設が始まるのは、1970年からです。

2. 当時、現地には立派なゲストハウスはなく、鉱山技師たちは掘っ立て小屋に寝泊まりしていた。
*ベットではなくハンモックを吊るしていた。

3. また、鉱山現場はアマゾンのジャングルの高台になっており、いたるところに大小の湖沼があった。
*そこには、無数のワニが生息していた。

現在は、トランスアマゾニアンハイウェイが開通し、マラバという町を経由して上等なアスファルト道路でカラジャスまで行けるようです。

また、新日本製鉄の元会長の方の話として、次のようなエピソードも記されています。

この時期より鉱山開発にともなう環境破壊が世界的な関心事となり、カラジャス鉱山開発がアマゾン熱帯雨林の保全に与える影響調査と称して、国連より環境査察官が鉱山開発現場に派遣されて来ました。

たまたま私の現場訪問と時期を同じくし、鉄鉱石のバイヤーとしての立場から意見を求められたことがありました。その内容は別にして、この国連からの査察官が年のころは30歳前後、金髪、青い目の絶世の美女だったのです。アマゾンの奥深いジャングルの中でこのような美人に出会い、インタビューを受けるとはまったく想像も出来ないことでありました。 (原文より引用)

★ なお、リオデジャネイロで第1回の地球サミット(環境と開発に関する国際連合会議)が開催されるのは、1992年のことです。