書籍の紹介『満州の日本人』
日本の近現代史を勉強していると、” 満州 ”についての疑問が次々に浮かんできます。
特に、日清・日露戦争前後の頃の満州の歴史については、本やネットで調べても、あまり詳しいことは記述されていません。
最近 『満州の日本人』著:塚本 進 という書籍を読みましたが、日露戦争前後から満州事変以前までの満州のこと、特に満州に住んでいた日本人のことが丁寧に書かれています。一読をお勧めします。
それから、子どもたちに教える上で、私たち教師が、きちんと押さえておくべきだと思うことを以下、列記してみました。
➀ 日清戦争において遼東半島が日本軍に占領されていたとはいえ、なぜ清朝は遼東半島を割譲することに同意したのだろう。
➁ 日清・日露戦争の前後、その頃の満州とはどのようなところだったのだろう。人口はどれくらいで、どんな民族が住み、どんな産業があったのだろう。
➂ ➁の頃の満州には、どれくらいの日本人が住み、どのような職業に就いていたのだろう。
➃ 日露戦争の戦場となり多くの犠牲者を出したが、満州は、日本にとって、日本人にとってそれほどまでに価値のある場所だったのだろうか。
➄ 当時の日本が、日本人が満州にこだわるほど、満州とは豊かで、あるいは日本を豊かにする可能性のあるところだったのだろうか。
➅ 日露戦争に勝利し、ロシアから東清鉄道のうち、旅順・長春間の鉄道の利権を譲り受けた後、満州にはどれくらいの日本人が住むようになり、満州のどこに住み、どんな職業を営んでいたのだろう。
➆ 南満州鉄道株式会社とはどのような会社で、日本人社会にとってどのような位置づけだったのだろう。
➇ 中華民国に対して、二十一か条の要求(1915年)をする背景には何があったのだろう。
⑨ 満州事変が勃発するとき、なぜ日本軍が満州に駐留していたのだろう。
以上のことを理解しておくと、教材研究をするときにいいアイデアが浮かぶと思います。