最近よく見かける ” ラーニング・ピラミッド ” について
平成26年11月20日、文部科学大臣が「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」中央教育審議会に諮問してから、アクティブ・ラーニングという言葉をよく耳にするようになりました。
また同時に、学習定着率を示す下図のラーニング・ピラミッドも見かけるようになりました。
この諮問文を読んでみると、アクティブ・ラーニングとは「課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習」と理解してよさそうです。
また、アクティブ・ラーニングという学習・指導方法は、➀知識・技能を定着させる上でも、➁学習意欲を高める上でも効果的であることが、これまでの実践の成果から指摘されていると、その有効性についても触れられいます。
さて、上図の ”ラーニング・ピラミッド ” は、教育課程の研修会等でよく紹介されるものです。アメリカ国立訓練研究所(National Training Laboratories)の学習定着率の調査に基づくものとされています。そして、概ね、上4段は「受動的な学習」、下3段は「能動的な学習」と説明されているようです。
*つまり、下の3段がアクティブ・ラーニングによって期待される学習定着率だと思われます。
最初にこの図を見せられ説明を聞いたときには、なるほどそういうものかと納得したのですが、ある日、確かに説得力はありそうだけど、本当にこんなにうまく理論として説明できるのだろうか、根拠は何だろうかと思い、ネットで調べてみました。
すると、文部科学省のホームページをいくら探しても、このラーニング・ピラミッドを見つけることはできませんでした。
さらに調べてみると、根拠があやしい、根拠そのものがないような書き込みがいくつもありました。
とくに、国立国会図書館の「学習のピラミッド」モデルというゾンビ(記事紹介)」という頁を見つけて、やっぱりそうだったのかと確信しました。
★ただ、あくまでもネットで私が調べた範囲のことですので、本当はきちんとした根拠があるのかもしれません。
★国立国会図書館のホームページには
『米ラドフォード大学情報リテラシー・アウトリーチ部門長のCandice Benjes-Small氏と、インストラクション・ライブラリアンのAlyssa Archer氏が、米国大学・研究図書館協会(ACRL)のブログに、この「学習のピラミッド」モデルが、なんの根拠ももっていない旨の記事を投稿している』
という説明があります。
*この記事にはリンクが貼ってあるので、英語で書かれた原文を見ることができます。