アメリカのトランプ大統領は、NAFTA(北米自由貿易協定)の見直しを選挙公約としていましたが、今年(2018年)9月30日、NAFTAは USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)に置き換えられることになりました。

▪ 日本経済新聞 カナダも車数量規制 新NAFTA「自由貿易」消える

▪ JETRO NAFTA新協定(USMCA)に合意、3カ国間の枠組みを維持

USMCAは、United States–Mexico–Canada Agreement を略したもので、自由貿易を意味する ”Free Trade” の文言が外されています。

◇ トランプの横やりで、2017年1月4日、米フォードがメキシコでの新工場建設の計画の中止を発表しましたが、2015年におけるメキシコからアメリカ向けの自動車の輸出の内訳は下グラフのとおりです。

(注1)上の円グラフは、「某エンジニアのお仕事以外のメモ ~アメリカの自動車輸入について~ 」というサイトを参考に作成しました。

(注2)上の円グラフには大型バスとトラックは含まれておらず、2015年にメキシコで生産された自動車のうち、対米輸出の総数は 2,283,502台 です。(下表)

*上の表は、JETROの「2015年 主要国の自動車生産・販売動向」のp44に載っている資料です。

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◇ USMCAには、自動車の製造に関して次のようなことが記されています。

➀ アメリカは、メキシコとカナダからそれぞれ 年260万台 の数量の枠内であれば、輸入車に高関税を課さない。

➁ 域内(米・カナダ・メキシコ)の部品調達率を現在の 62.5% から 75% に引き上げる。

➂ 部品の 40~45% は、時給16ドル(米国ドル)以上の地域で生産したものでなければならない。

 メキシコで製造された自動車は260万台までならば高関税がかけられないのですが、この枠外については、トランプ大統領が、国家安全保障に基づく米通商拡大法232条を発動することにより、25%の高関税を課すことが可能のようです。

 このことは、低賃金に引かれてメキシコに進出している日本メーカにとっては痛いところだと思います。また、部品の域内調達率75%についても、その対応に苦慮することが予想されます。

*2015年のメキシコからの対米輸出が230万台弱であることから、260万台という制限を設けたことはトランプなりにメキシコに配慮した数字のようです。

ザ・ビートルからNAFTAを考える