一昨日の投稿では、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の自動車に関する取り決めについて取り上げ、メキシコからの対米輸出については、260万台を越えると、国家安全保障に基づく米通商拡大法232条を発動され、25%の高関税が課される可能性があることについて触れました。
このことは、低賃金に引かれてメキシコに進出している日本メーカにとっては痛いところであり、部品の域内調達率75%についても、その対応に苦慮することが予想されます。
逆に言えば、アメリカで現地生産した自動車であれば、コストは高くついても、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の規定に抵触する心配はありません。
そこで、日本メーカーはアメリカ国内ではどれくらい生産しているのかを調べてみました。それが、下の円グラフです。
(注1)上のグラフは、JETROの「2015年 主要国の自動車生産・販売動向」のp34に載っている資料を基に作成しました。
(注2)乗用車と小型トラックの総計(11,892,579台)であり、このグラフには、大型バスとトラックの台数は含まれていません。
(注3)このグラフも、「某エンジニアのお仕事以外のメモ ~アメリカの自動車輸入について~ 」というサイトを参考に作成しました。
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グラフを作成するまでは、アメリカ国内において、日本のメーカーがこれほどまでに現地生産(31.3%)をしているとは思っていませんでした。自分で作業してみて視覚化することの大切さを実感しました。
それから、アメリカのビッグ3の力がここまで落ちているというのも驚きでした。トランプが激怒するのも分かるような気がしますし、アメリカ人の雇用を守るためにはメキシコで生産したものを対米輸出するより、アメリカで生産する方が摩擦が少ないように思います。
意外だったのは、ドイツのフォルクスワーゲンがアメリカであまり現地生産をしていないことです。メキシコからの対米輸出においてはVWの割合は12%だったことを思うと、0.7%というのは少なすぎると思います。