学校現場では、生まれつき色の見え方が他の人と異なる少数色覚者に対する理解を深めたり、配慮したりする取り組みが行われるようになってきました。
以前は、「色盲」「色弱」「色覚異常」「色覚障害」という言葉を耳にしましたが、最近は、差別や排除を助長するおそれのあるとして、色覚特性という表現が好まれるようです。
我々教師にとって身近なものの一つが、板書のCUD(カラー・ユニバーサルデザイン)です。
白色と黄色のチョークを使い、赤や緑・青は避けるよう気を付けていますが、少数色覚者の方がどのように見えているのかの参考となると思い、シミュレーション・ソフトを使って写真を加工してみました。
◆ シミュレーソンソフト Chromatic Vision Simulator
C型 赤・緑・青の3種類の錐体がそろっている一般的な色覚
P型 赤い光を感じる錐体がない。あるいは分光感度がずれている。
D型 緑の光を感じる錐体がない。あるいは分光感度がずれている。
T型 青い光を感じる錐体がない。あるいは分光感度がずれている。
◆ 上の写真は、あくまでもコンピュータ上でのシミュレーションですので、少数色覚者の方にとって本当にこのように見えているかは不明ですが、次の2つのことが私の感想です。
① P型、D型、T型によってかなり見え方に違いがあり、型によって色の区別に得手不得手の違いがある。
② 板書は白色と黄色を基本とした方がよいと言われるが、シミュレーションではよく分からない。ただ、下線を引いた入り、四角で囲むという配慮はとても有効だと思われる。
注1)3種類の錐体のうち1種類しかもたない、または全てが無いため、色を明暗でしか感じることができない、A型というタイプもあります。
注2)T型とA型は、極めて該当者が少ないそうです。
◆ この投稿は「自分のデザインをチェック!色覚シミュレーションの方法いろいろ」というwebサイトを参考にしました。
◆ しきかく学習「カラーメイト」という団体が「はじめて色覚にであう本」という小冊子を出版しています。(2017年3月)
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◆ 英語の板書についても、このソフトを使って写真を加工してみました。