酒樽を授業に持ち込もう

下の写真は昨日、ポケットマネーで購入した酒樽です。

手前の栓を抜くとお酒が出てきます?

歴史的分野の授業で、江戸時代の樽廻船株仲間をについて取扱うときに実物教材として使うつもりです。また、室町時代に登場した様々な職業のことろでも使えそうです。

この樽の高さは約33㎝で、酒樽としては最も小さいサイズです。値段は本当は9500円だそうですが、教材として使うということから7000円で作ってもらいました。

この樽には、何もいれないことを前提に作ってもらっているので、少し安くしていただきました。

また、教材用ということで、乾燥した状態でタガを締めてもらいましたので、水を入れたらパンパンに膨らみ大変なことになります。逆に、本物は水分を含んだ状態で水漏れしないように締めてあるので、乾燥させてしまうとタガが緩んでしまします。

酒樽屋日誌 『樽(たる)が「はしゃぐ」と𥶡(タガ)が外れる』

『原田製樽所』平成29年6月30日撮影

今回、インターネットで樽を作っているところを調べて購入しましたが、この樽の製作所は、YouTubeに動画がアップされています。

◆職人さんから聞いた話では、九州で酒樽を製造しているのは3か所(佐賀県1)、全国でも10数か所しかないそうです。また、造り酒屋のもろみ仕込みで使う大きな樽は、酒樽としての使命を終えた後、味噌作りや醤油作りの樽として使われるそうです。塩分が樽に浸透すると強度が増すとのこと。

月桂冠大倉記念館 『酒造りの技を物語る用具類』

◆この製樽所から頂いた資料には、江戸時代の樽廻船についての説明がありましたので以下のとおり抜粋しました。

~ 奈良県の吉野杉は日本で最初に植林が行われた杉の木 ~

樽廻船と言って江戸時代初期より関西から江戸へ船で日本酒を運ぶ際、たくさんの樽を使用した。その樽に適した材料として奈良県の吉野杉が利用されるようになり一大産地となった。このころに多量の酒樽(約百万個)が生産されていて、酒樽の形・道具などが確立されている。

◆この樽を母親(80代)に見せたところ、母親が小さい頃は家に醤油を入れる樽があったという話をしてくれました。下の栓を抜いて醤油を垂らすのですが、上の蓋についている栓を抜かないと、醤油が落ちてこないそうです。また、桶や樽を作る職人さんが身近にいて、決して特別な存在ではなかったとのことです。

そういえば、私も幼い頃にタガが緩んでしまって、ばらけた樽をよく見かけた記憶が微かにあります。でも、実際に漬物をするために使っているのは樽ではなく、プラスチックしか見たことはありません。

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