中学校の社会科の授業づくり

パリ同時多発テロ事件について聞かれたら

昨年(2015年)11月に起こったパリ同時多発テロ事件(2015年11月13日)については、多くのことが語られていています。有識者やコメンテーターなどの意見を聞いていると、どの話を聞いてもなるほどと思ってしまいます。また、イスラム教徒とキリスト教徒の関係にいては、自分なりに理解していたつもりなのですが、マスコミで語られる話を聞いていると、それは知らなかった、そいういう角度からの見方もあったのかと、己の無知さと勉強不足に落ち込んでしまいます。

私が思うに、子どもたちに事件の背景やその対応策について質問された場合、次のことを念頭に話をすれば、それほど間違ってはいないような気がします。

(1) フランスには約700万人もの移民がいて、そのうちイスラム系は450~500万人が暮らしている。
『月間Wedge』2015年3月号、フランス共和国が誇る「社会統合」の限界

(2) フランスで生まれ育ったイスラム教徒の2世などの中には、社会に受け入れらていないという疎外感や孤立感を感じている人がいる。

(3) 彼らが反社会的なカルト集団と接触すると、感化されてしまう場合がある。

(4) 中東の情勢が不安定なため、大量のイスラム教徒の難民がヨーロッパに流れ込んでいる。
*過激派組織IS、シリアの内戦など

ここで一番厄介なのが、なぜ中東情勢は不安定なのかということの説明ですが、歴史についての正しい理解がないとうまく伝えることができません。私自身、これについてはもっと勉強し、自分なりに頭の中を整理しなければと思っているところです。