◆今回は、このシリーズの最終回です。薩英戦争の戦後処理について扱いますが、この話し合いの後、薩英が接近し、薩摩藩の倒幕運動へと発展していきます。

◆薩英戦争(1863年8月)から約3か月経った11月11日、ようやく戦後処理について、横浜のイギリス領事館において薩英の話し合いが始まります。ここで ”重野厚之丞” という新しい主役 が登場します。

◆交渉はもつれにもつれますが、最終的に重野が持って行った落としどころは素晴らしいものでした。

➀薩摩はイギリスに賠償金を支払う。

➁薩摩は軍艦を買い入れたいので、イギリスにその斡旋をお願いしたい。

③1隻とは言わず、先々もっともっと購入したい。

④軍艦の操縦法を学ぶために、若者30人をイギリスへ留学させる。

◎イギリス側は、薩摩から軍艦をたくさん買ってもらえる、金儲けができると大喜びです。

◎薩摩藩は賠償金を支払いますが、このお金は幕府から借りたもので薩摩の懐は傷みませんでした。

◎幕府は戦争を恐れて、しぶしぶ薩摩藩にお金を貸しました。

◎さらに、この交渉にはお目付け役として幕府の役人が立ち会っていたので、薩摩がイギリスの斡旋で軍艦を購入することに対して幕府は異議を唱えることができなかった。

◆この後、薩摩とイギリスは急速に接近していくことになりますが、交渉の経緯とその後の展開について次の動画を見るとよく理解できます。

◎NHK・BS『幕末大転換!逆境に活路を開け「横浜・生麦事件」/NHK・BS歴史館』