◆本時の目標
・農業の生産力が高まることで様々な職業が生まれ、貨幣の流通にともなって産業が発達したことを理解させる。

1 クイズに挑戦

◎戦国時代に日本を訪れたヨー ロッパ人が驚いたことは?
A 公衆トイレが多い。
B 死体がころがっている。
C 金や銀がいっぱい  (正解はA)

2 どうして公衆トイレが多かったのだろう?

・人の糞尿を肥料として用いることが普及していたことを押さえる。
・農業技術の発達について理解させる。
二毛作、牛馬による耕作、用水技術の進歩等

3 絵画資料を使って、農業の様子について考えさせる。

『月次風俗図屏風』16世紀
『月次(つきなみ)風俗図屏風』 東京国立博物館蔵

➊どんな場面を描いたのものだろう。
→女性が田植えをしている。男性は苗を運んでいる。

➋食べ物を探してみよう。
→お握りやお弁当箱らしいものがある。桶にはお酒やお味噌汁などが入っていることも想像できる。

➌この田んぼの持ち主はだれだろう。
→この問いで子どもたちは、あれこれ想像を膨らませる。田楽を踊っている人や桶を担いでる人などの意見が多い。
→田んぼに入っている赤い笠をかぶった男性が所有者である。なぜが伊勢海老が描かれた扇を持っているのも生徒の興味を引く。

田楽の拡大図(田んぼの所有者)

★この絵は、16世紀の後半の作品らしいが、中世の農村の様子を読み取ることができる。生徒は、田植えが共同作業で行われ、村にとって一大イベントであったことを実感できるようである。

4 農業の生産力が高まったことで、様々な職業が生まれたことを説明する。

5 職業あてクイズ

授業研究資料「中世の技術と職業」

*上の結桶師の絵『職人尽絵』などを見せ、職業をあてるクイズを行った。

*ネットを探すと、室町時代のいろいろな職業の画像が見つかる。
*鍛冶、大工、お茶売り、研師、素麺、口紅、豆腐、紙すき、染物、猿楽・田楽、博徒など、実にたくさんの職業がある。

6 最後に馬借の絵を見せて、交通が発達したことや定期位置が盛んになったことなどを補足・説明する。