◆目的
村の検地を疑似体験することで、荘園領主や有力農民がそれぞれもっていた土地の複雑な権利が否定されたことに関心をもたせる。

◇あたなたちは検地をすることになったお役人です。
◇村から検地に必要な地図が提出されました。
◇これをもとに検地帳に農地の面積、収穫高、耕作者を記入しましょう。

1 村から提出された図面に色をぬる作業をしなさい。

➀ 木村さんが人に貸している農地を黄色でぬりなさい。
➁ 中井さんが人に貸している農地を緑色でぬりなさい。

2 検地をしているつもりで登録の作業をしてみよう。

➀ 図面をもとに検地帳に、農地の面積、収穫高、耕作者を記入しなさい。

*図面にはA~Tの20の農地があります。

農地番号 面積 収穫高 耕作者
5反 5石  香取 
8反  8石  森 
8反  8石   草薙
3町 45石 木村
5反 5石 不明

*1石は約150kgのお米です。(大人が1年に食べる量)
*1反(たん)から約1石のお米がとれます。
*1反(たん)の広さは、31.5m×31.5m(体育館ぐらいの面積)
*10反(たん)=1町(ちょう)

➁ 検地帳に登録する作業をして気づいたことを各グループで話し合いをしなさい。

③ 各グループでまとめた意見を黒板に書きなさい。

◇全グループが黒板に書き終わったら、教師がよい意見を拾い上げ、それを皆に共有させる。

3 NHK for School の映像を見てみよう。

◇このサイトには、太閤検地に関するビデオクリップが5件あります。

4 全国を統一した後、秀吉が国内を統治するために行った政策について整理しましょう。

◇板書をしながら、太閤検地と刀狩が徹底して行われることで兵農分離が進められ、江戸時代の身分制度の土台が築かれたことを説明する。

5 本時の授業のまとめをする。

◆先生方も実際にこの地図をもとに作業をしてみて下さい。

◇この図面は、木村さんと中井さんがこの村のあるいは国人(地侍)、名主(田堵)という設定で作ったものです。

◇1反からおよそ1石の収穫というのが一般的だったようですが、反当りの収穫にわざと差をつけています。

◇検地帳に耕作者(作人)を登録させる作業をさせながら、荘園領主や国人、名主などの職(しき)が否定されたことを説明しました。

◇耕作者不明の土地がなぜあるのかを考えさせたり、図面にはない隠し田があったらという発問をすると、より検地にリアリティがでました。

田堵名主については、野澤道生の『日本史ノート』解説が参考になります。

職(しき)を否定した『太閤検地』