【体験型授業】

酒樽、小瓶、玩具コイン(金貨・銀貨)、株などの小物を使って、江戸時代の酒問屋になったつもりで、仕入れなどを疑似体験する授業です。サイコロを使って、値段を上下させることでリアル感を出しました。

◆ 本時の指導目標
・商人が利益を独占するために結成した株仲間に対する、幕府の保護政策について理解し、その政策に対する自分の評価をまとめて発表する。

◆ 評価規準
株仲間に対する幕府の保護政策について、①幕府、②株仲間、③江戸に住む人(武士や町人)の立場から政策を評価し、自分の言葉で発表することができている。(思考・判断・表現)

◆ 本時の授業過程

1.反物を見たことはありますか?

2.絵画史料の中から、次のマークを探しなさい。

3.越後屋の新商法

延宝元(1673)年、三井高利は江戸に「越後屋呉服店」を開業し、「現金掛け値なし」「店前売り」という独創的な商売をしたことに触れる。

4.両替商の出現

上方では銀貨が、江戸では金貨が流通していたこと、そのため貨幣の交換を行う両替商が現れたことを説明する。

5.江戸の酒問屋ゲームに挑戦!

(1) あたなたちは江戸の酒問屋です。

(2) 元手は金貨10両 です。

(3) 皆さんのうち○○人にだけ株をあげます。

(4) 上方から酒樽を積んだ船が来ました。

「株を持っている商人だけが、1樽=2両 で酒樽を仕入れることができます。」

(5) サイコロの目で、江戸のお酒屋さんに売ることができます。

(6) 株を持っていない人にインタビューします。

「あなたは今どんな気持ちですか?」

(7) 株が欲しい人は、8両で売ってもらうことができます。

*株を持っている人は、お願いされたら必ず売る。

(8) また酒樽を積んだ船が来ました。

・仕入れ値は、1樽 = 4両
・2樽まで仕入れできます。
・先生から借金することもできます。

(9) 今度は何と、サイコロの目の2倍でお酒屋さんに売ることができます。

(10) 株を持ってない人に、先生が株を売ってあげます。

*1株 = 10両 です。
*先生から借金することもできます。

(11) またまた酒樽を積んだ船が来ました。

・仕入れ値は、1樽 = 6両
・2樽まで仕入れできます。
・先生から借金することもできます。

(12) サイコロの目の3倍でお酒屋さんに売ることができます。

(13) 一番儲かった人はだれですか。

(14) ここで突然、幕府から無理難題が押し付けられました。

*クラス全体で幕府に50両を納めてください。
*一番儲かった人が責任者です。

6.株仲間のシステムを知る。

7.幕府の株仲間に対する政策を評価する。

(1) ヒントを参考に個人で考えてみよう。

4(最高)  3(よい)  2(悪い)  1(最悪)

➀ 幕府にとっては
➁ 株仲間に入っている商人にとっては
➂ 江戸で暮らしている武士や町人にとっては

(2) 最後にグループで幕府の政策を評価しよう。

株仲間に入っている商人にとって  よい政策だ or 悪い政策だ

8.今日の学習を振り返り、キーワードを使ってまとめてみましょう。

*キーワードは『株仲間』です。

◆ 本時の授業過程

株仲間は公認・保護すべきか?

「下りもの」を運ぶ菱垣廻船・樽廻船 ~ 株仲間とは? ~